9月講義では,大阪大学大学院経済学研究科の松村真宏に「戦略的な生き方」という題でご講演を頂きました.
はじめに,工学の研究者であった松村先生が経済学の教授になるまでに辿った経歴について,お話いただきました.
かつて人工知能の分野で研究を行っていた先生は,データ分析でわかることの限界を感じていたそうです.そこで,自分がやりたいと思う研究を行うために,思い切って異分野に飛び込むことを決めたのだと言います.当時や今に至るまでの苦労,そして移った先の分野を盛り上げる「戦略的な方法」についてお話しいただき,塾生一同刺激を受けました.
次に,先生が主に行っている仕掛け学について語っていただきました.「仕掛け」とは人の行動の選択肢を増やし,自発的な行動変化を促すものだといいます.世の中にはどのような「仕掛け」があるのか,いくつかの例を挙げて説明をしてくださいました.
講義の後半では,研究者の「戦略的な生き方」についてご教授頂きました.
何のために研究をするのか,研究対象は誰であるのか,またその目標のために戦略を立てているかどうか,これらの問いを自分の中で明確にした上で研究に取り組むことがいかに大切であるか教えていただきました.また,数名の塾生の取り組んでいる研究を例に議論を行いました.
講義を通じて,戦略的に生きることの重要性を感じることができました.
文・下村 優