科学者維新塾(科新塾)・中之島第9期の第1回講義は、科新塾の塾長である河田聡先生からご講演頂きました.今年の入塾生は大学院生のみならず学部生も多く参加し,フレッシュな顔ぶれとなりました.
前半は「次世代の博士の生き方」について河田先生からご講演をいただきました.,
かつて大企業の倒産,低下する研究力などの例を引き合いに出し,変わることを恐れる日本についてお話いただきました.福沢諭吉の著書や,「博」という字の意味,科学者維新塾の設立理念を交えて,その現状を変える力をもつ「脱藩浪人」としての博士というライセンスの重要性を熱く語っていただきました.塾生たちは皆河田先生のお話に聞き入っており,博士という存在を考える良いきっかけとなりました.
後半は塾生が円座となり,「次世代を生きる自分の博士像とは?」という議題で河田先生と塾頭の対話方式でディスカッションを行いました.自分のやりたい研究,仕事の理想と現実,科学者と研究者の違いについて河田先生と塾生が意見を交換しました.また去年行われたアメリカ大統領選における人と機械の予想結果を例に,機械が人間の職業を奪う将来を見据えた上でどういう進路を選べば良いか,議論しました.
今期から加入する塾生だけでなく,在籍している塾生にも改めて博士の役割を見直す回となりました.
文・下村優 (塾頭補佐)